J・P・ホーガン 「星を継ぐもの」
フォークナー 「八月の光」
*
『まあ、僕は丘のひとつを越えるぐらい我慢できるさ』と彼は考える、『丘なんて我慢できるさ。人間というものは、できるものなんだ』。七年間なじんだ丘は、平和で穏やかだ。『人間というものは、たいていのことなら我慢できるもんだなあ。自分がけっしてしなかったことにさえ耐えられるんだ。人間は何かの場合、それがいかに自分にとって耐えられないことかと考える忍耐さえあるんだ。気をゆるして泣いていいときにさえ、そうしないで我慢できるんだ。振り返ろうと振り返るまいと自分には何の役にもたたないときでさえ、振り返らずに我慢できるものなんだ』